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「B2B製品のUIにこだわりをみせていきたい」

By: Aquent

今回は寺岡精工勤務の江夏恵理子さんを紹介します。

LAST UPDATED: 2016/02/23

このブログでは、エイクエントのタレント(登録者)を紹介しています。
今回ご紹介するのは東京の江夏恵理子さんです。

江夏恵理子

武蔵野美術大学 造形学部 工芸工業デザイン学科 卒業
出版社、広告代理店(シンガポール)、デザイン会社などを経て、現在、株式会社寺岡精工勤務

聞き手:宮崎洋史。エイクエント マーケティング担当 

B2B機器のUIデザインなどを担当しています

Q:まずどんなお仕事をされているか教えていただけますか?

紙媒体と自社のウェブサイト、そしてB2B機器の操作スクリーンのUI。この3本柱を、グラフィックを中心に幅広く担当しています。あとは、イベントの時は、インテリアデザイナーさんと一緒にブースのグラフィックをやったりもしています。

Q:UIのプロジェクトは、どのへんから関わっていくものなんですか? 

ものによって違いますが、上流からやるものもあります。私は英語をちょっとしゃべれるので、海外向け商品の時は、上海とシンガポールに開発部署があるので、彼らと一緒につくっていきます。
「この製品の画面について、どの様な画面遷移が良いかアイデアをください」という様な相談を受けて、ページ展開をゼロから提案したりもします。

ただ海外製品専任というわけではなくて、日本用の新製品のUIを企画書からやったこともあります。新製品の開発会議にも参加しました。そもそも新製品の企画で、ターゲットがどんな人なのかが全然あがってこないこともあるので、そこに突っ込んだりとかします。

ちゃぶ台返しは起きないのですが

Q:今の仕事ではどういうところが難しかったり、面白かったりするんですか?

既存製品に関しては、その製品ができた背景とか、何代目の製品なのか、それまでにどういうことがあったのかを聞いたりします。機能も分かっていない部分があるので、その機械に触りにいったりしますね。きちんと製品を理解しないとなかなかグラフィック表現もできないので。 

Q:ところで、B2B機器のUIのインターフェイスってどうやってつくるんですか?ウェブサイトだとHTMLCSSですよね。B2B機器のスクリーンって言語は何でつくるんですか?

実装はc++等って聞いているんですけれども、私はできないので、ネット上でシミュレーションできるプロトタイピングツールを導入して、動きだけでもみんなで共有してみたことがあります。ただ、そういうのに興味がある人少ないので、ちょっといま苦労しています。

Q:プロトタイピングをちゃんとやらないと、開発の最後の段階で、ちゃぶ台をひっくり返す人が出てきたりしません?

形にしてから少しずつブラッシュアップされていくことが多いので、操作性やデザインのエラーも少しずつ明るみになってくるんです。でも結果的に大変なことになったりもするので、やっと最近、危機を感じ始めています。

B2B機器の例:惣菜売場用はかり

Q:具体的に担当した製品をおしえてください

短期間で色々と関わったのですが…そうですね、「はかり」の仕事は面白かったです。ニューヨークで去年行われたイベントでやったものです。製品スクリーンの画面デザインや、プレゼンで使う映像のグラフィックとか、ブースの背景をやったり。トータルでやったので楽しかったです。

Q:はかりのUIってモノを乗せたらグラム数が表示されるだけですよね?

いえ、スーパーに行くと分かると思うんですけれども、「いらっしゃいませ」と挨拶する画面からスタートして、ムービーを流してユーザーに指示をして進んでもらうタイプのものもあります。測るときは商品のシールをカメラが読んで、支払金額とか、商品何個とかが確定してラベルが出てくる。そういう流れになります。

総菜売り場とか寿司売り場とかで、ちょっと楽しいそうだ、やってみたいなと思わせるようなのが目的です。音も出て、けっこうにぎやかなんですよ。

nyBooth_s

ニューヨークでのイベントブース

 Q:わかりました。あとはコーポレートサイトのリニューアルを担当したのでしたっけ?

いえ、私入社したのはリニューアル後です。よくあるのは、リニューアル直後はプロが作ったコンテンツしかサイト上にないのでキレイなのですが、社員がコンテンツをアップするようになると、クオリティ維持が難しくなってくるんですよね。なので、リニューアル後のビジュアルのクオリティを保つように心がけています。

Q:それめっちゃ大事ですよね。例えば建築物って、完成したときって建築家がデザインしたままなので美しいんですけど、しばらくすると、「トイレはこちら」みたいな紙がべたべた貼られて醜くなっていくじゃないですか。ウェブサイトもそれと同じで、完成したあとに素人がコンテンツを追加するとだいたい醜くなる。

ウチは、ウェブ担当の広報と部長がすごく意識が高くて、そういうことが起こらないようにしています。

高輪病院のATMは注目

Q:現在、色々なお仕事をしていますが、どの仕事が一番好きですか?

やっぱりUIが好きですね。動きも見れるし、自分でイメージしたものをどういうふうに操作されるのかとか、そういうところがすごく気になるんです。グラフィックも楽しいんですけれども「見る」で終わるじゃないですか。今自分が一番楽しいのは、もうちょっと身近な人が操作したりとか、ちょっとしたことなんだけれども、ボタンを押したときの感触とか、音とか、色合いとか、そういうのを考えるのがすごく楽しい。

Q:iPhoneAndroidって機能的にはだいたい同じことができるけど、画面をスクロールさせる感覚とか、ボタンを押したときの反応とかちょっと違いますよね。そのちょっとが、結構大きな違いを生むんですよね。

ところで江夏さんがイイと思ったUIにはどんなものがありますか?

最近の例では高輪病院のATM。診察後に料金を支払うやつがすごくよくできているんですよ。画面がすごく大きいし、ボタンも大きい。そしてピカピカ光ってくれるので次に何をすればよいのか迷わない。導線がちゃんとできているんです。おつりが出てくるところは結構離れているのですが、そこもピカピカ光るので分かりやすいんです。

自信作は、皆を巻き込んだプロジェクト

Q:ご自身の一番の自信作はなんなんですか?

社内用なんですけれども、ワールドミーティング用のパンフレットですね。これは2年に1回海外も含めてグループの社員が集まる大規模なイベントです。こちらに来てすぐに、それが日本で初めて開かれました。部長やミーティングのオーガナイザーから、けっこう細かいオーダーがあって、処理の仕方もすごくこだわらせてもらったし、スナップ写真を撮りに行ったりしました。

このパンフレットをつくるのにいろんな人と話して、何度もやり取りをしました。私だけではなくて、みんながこだわってやったというのがすごく嬉しくて、自信作というよりも、一人ぼっちでやっているよりは何人かでやるのが楽しいかったです。

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左:制作中のパンフレット|右:完成したパンフレット

転職回数が多すぎると言われると思っていました

Q:ところでエイクエントに登録したのはいつくらいで、どんな印象を持たれたか教えてください。

登録は2014年の4月くらいです。覚えているのは、登録に伺った日はすごく調子が悪かったんです。前職の会社が経営難でスタッフ全員解散となった翌日で。そんな中、エイクエントに来たら竹下さん(江夏さんの担当エージェント)をはじめ皆すごく明るくて、燦々としてました。

Q:竹下が発した言葉とかセリフとかで、覚えているものあれば教えてください。

前向きですね。とにかく前向き。否定的なことをあまり発しないですね。正直私の履歴書を見たら転職回数多すぎだろうとか、普通に突っ込み入れたかと思うんですよ。それをあえて気分を悪くしないように言ってくれているのがすごくよくわかるし、私、大丈夫じゃんって思わせるくらい、すごい説得力なんですよ。だから竹下さんとしゃべっていると自信もてるんですよね。おだてられているんだろうなってわかっていても自信が持てるってあるじゃないですか。そこがすごい印象的でした。 

Q:こちらへ就業が決まってからはどうでしたか?

慣れないうちはその都度問題が出てくるんですよ。仕事量が多く、手が腱鞘炎になりそうだみたいな。どうしようってほんのちょっとでも思ったらすぐ竹下さんに連絡していました。今思えばもうちょっと自分で考えてもよかったと思うんですけれども。竹下さんはすぐにレスくれるので、次こういう感じでやってみたらとか、例えばこういうスケジュール帳をつくってみたらとか、大きさまで提案されて。A3でつくってみて、みたいな。そういう細かいところとか、すごく親身にしてくれて。1ヶ月に1回くらいメールしていたんじゃないかっていうくらい。

Q:ハハ。竹下は、一緒に仕事をしていたみたい、と言っていました。

B2B機器のUIを極めたい

Q:さて、この先どんな風になっていきたいですか?

とりあえず寺岡は素晴らしい会社なので、製品にもう少し携わって、イベントとか紙媒体もあるんですけれども、製品のUIで自分の力が出せたらなと思っています。

Q:B2B機器のUIというと、グラフィック的には工夫の余地が少ないのかなと思ってしまいますが

確かにカタイ部分はあるかもしれないですね。でも、使いやすさとトーン・アンド・マナーってUIでも必要になってくると思います。そういうところとかをマネージングして、こだわりをみせていきたいなと。

Q:はかりを例にすると、どのスーパーのチェーンに入れるかで、UIの配色とかが変わるといいかもしれないですね。西友なら西友の色があるし、イオンならイオンの色があるし。

きっとそうだと思います。うちの部長もそこをすごく気にしているところなので、何かできたらいいなと思います。


取材後記

複数の路線が乗り入れる駅の券売機など、まだまだ世の中には、利用者を混乱させるUIが多いと思います。江夏さんのお話から察するに、プロトタイピングの手間を省き、UIを徹底的に検証しないまま世に出てしまった製品が多いのでしょう。

高齢者や外国人旅行者が増えると、UIが原因で行列が長くなったり、それによってイライラする人が増えたりして、暮らしの快適さが失われてしまうと思います。

だからこそ、江夏さんを始めUIデザイナーに活躍してほしいし、活躍できる舞台を用意しなくてはいけないと思ったインタビューでした。

竹下小百合 佐賀県出身。199X年エイクエント福岡オフィス入社。 現在は東京オフィスにて、外資系企業やマーケティング系ポジションを主に担当。 人生のテーマは「美と健康」。竹下小百合
佐賀県出身。2005年エイクエント福岡オフィス入社。
現在は東京オフィスにて、外資系企業やマーケティング系ポジションを主に担当。
人生のテーマは「美と健康」。

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左:タレント 江夏さん|右:エージェント 竹下